別荘の手入れについて

   

1. 別荘を受け取った時の嬉しい気持ち 

   
 別荘が出来上がり、引き渡しも終り、初めて別荘のキーを使うときの、あの気分は格別です。

 ”ギー”という軋み(きしみ)の音を立ててドアを閉め、先刻、受け取ったばかりの鍵で”ガチャガチャ”とドアをロックし、別荘の方を何回も振り返りながら散歩に出掛ける時のあの気分・・・・!!
 あの新鮮さと暖かさとホッとした気持ちの入り交じった気分は、ほかでは絶対に味わえないフィーリングだと思います。

 そして、一時間ほど近所の林の中や、土手の小道を散歩し、また”ガチャガチャ”と玄関のドアを開けて家の中に入るときの弾んだ気持ち・・・・
 ・・・・家の中に入った時の新しい建材の木の香り・・・・!!

 あの時の気分は、本当に何んとも言えぬ嬉しいものです。

 ・・・・・・
 ・・・・・・
 さて、楽しかった休暇も終り、東京に戻って来ると、今度は、次の休暇を指折り数えて待つようになります。
 その休暇も待ちきれなくなると、今度は、土日の週末に別荘に出掛けるようになります。
 そして、慌ただしい週末のスケジュールにもめげず、別荘に付くと、家の周りをグルグルと歩って、アチコチから別荘を眺め、ヤケにこまめに掃除機をかけ、ベランダにテーブルを持ちだしてお茶をのみ、鎌を買ってきて雑草を刈り・・・・別荘との夢のような新婚生活を楽しむのです!

 でも、やがて秋が来て、冬が来て、雪が降るようになると、誰でも自然と足が遠のきます。
 ・・・・そして、待ちに待った翌年の初夏、別荘に行ったとき大抵の人がビックリするのは、庭の雑草の物凄さだと思います。
 去年の夏、この別荘を受け取ったときは、あんなにキレイだった庭が、今年来てみると、まあ何んという雑草の物凄さ!!

 その物凄さは、本当にあきれ返るほど・・・・・・!!


 ・・・・・・でも、この位の事で驚いてはいけません!
 実は、別荘やセカンドハウスを持つと、本当はモットモット大変な事が、 色々と起きるのです。
 それはどんな事かと言うと・・・・・・放って置くと、せっかく大金を出して手に入れたこの別荘やセカンドハウスという代物は、とっても傷みやすいという欠点があるのです。
 ・・・・・・では、どんな所が傷みやすいのでしょう?
 この質問に対して、まず一番最初に思い当たるのが、ベランダ、屋根、雨の吹き曝しになる外壁 ・・・・・この3ツが、セカンドハウスで傷みやすい個所の横綱級と言うところ・・・・かも知れません!!

 ・・・・・・でも、それだけではありません。
 うっかりすると、屋根の下の破風にキツツキが穴ボコを開けてしまうかも知れないし、湿気が多い所では、家の中にカビが生える事だってあります。

 その他にも、台所の換気扇の隙間にキイロスズメバチの大きな巣が作られてしまうかも知れないし、帰るときにシッカリ水落しをしておかなかった為、次に行った時、鉄管が破裂して水が出ない事だってあるかも知れません。
 おまけに、風雨に当たり続けてペンキがはがれ、中の木が剥き出しになった外壁なんかには、蟻が巣食ってしまうかも知れません。

 ・・・・・・この様に、ふだん人が住んでいない別荘では、ホントに何が起きるか分からないのです・・・・・

 では・・・・・そんな事が起きないようにするためには、私達は一体、何をしたらいいのでしょう?
 次の章では、そんな事を色々と考えてみたいと思います。


   

2. 放って置くと、別荘はドンドンと傷みます。
   
 前の章で、少し考えましたが、別荘やセカンドハウスは、放って置くと本当にドンドンと傷んで行きます。
 その傷んで行くスピードは結構早いものですので、本当によく注意をして置く必要があります。

 では、別荘が傷まないようにするのには、どうしたらいいのでしょう?

 その為に一番いい方法は、放って置かない事です・・・・・・もうお分かりですね? ・・・・・・そう、別荘を出来るだけ沢山使ってあげる事がとても大切なのです。

 ・・・・・・よく人は、「物は使わないほうがナガモチがする・・・・・・・!」
 と、考えがちですが、決してそんな事はありません。
 物は使わないほうが、ドンドンと傷んで行くのです。

 例えば・・・・・・筆者は、音楽が好きでよくラジカセとかCDプレーヤーとかを使いますが、毎日毎日適度に使っていると・・・・・・こういった機械も調子のいい状態で、長いこと使えるのですが・・・・・・何かの理由で、こういった機械を1年とか1年半とか長いこと使っていないと、それだけで、うまく動かなくなったりする事がよくあるのです。

 ソレと同じように、別荘も長いこと使っていないと、適度に使っている時よりも、ずっと早く傷んでしまう事があるのです。
 ・・・・・・ですから、筆者の経験ですと・・・・・・出来れば2ケ月に1度・・・・・・そう、欲を言えば、1ヶ月に1度くらいは使いたいものです。

 そうする・・・・・・たとえ傷んだ所が見付かっても、損傷の程度が比較的軽いので、簡単な修理で補修をする事が出来てしまうのです。

    
 くどい様ですが、もう一度言っておきます。
 皆様、もうよくご存知の、私達自身の体の事を考えてみて下さい!
 ・・・・・・私達は自分達の体を、毎日毎日、四六時中、使っていています。 そして・・・・・・使っているからこそ、私達は、自分達の体に、どこか調子が悪い所があると直ぐに分り、必要な時にはお医者さんに診て貰いすぐに治して貰う事が出来るのです。
 しかし・・・・・・私達は、自分達の体に、全く調子が悪い所が全く無くても、半年に1度とか1年に1度とかの割合で、健康診断を受けたり致します。 その結果、普段の生活からは窺い知れない、癌だとか糖尿病や結核などの、致命的な病気が発生しつつある事を知る事ができるのです。

 ですから、それと同じように、私達も別荘に出掛ける折々、ただ別荘生活を楽しむだけでなく、たまには、別荘の隅々まで、とくにベランダの腐蝕状況なや、壁板の下から、ヤマアリが出入りしていないかを細かく点検したり、梯子を掛けて上ったり双眼鏡で覗くなりして、屋根の上のゴミの有無や苔などが生えていないかなどを、よく注意して眺めてみることが大切ではないかと思います。
 そして、なにか異常を診付けたら、近隣の別荘の所有者や、別荘を建てて貰った大工さんに連絡をとり、出来るだけ被害が小さいうちに補修工事を施してしまうことが肝要だと思います。

   
  兎に角、別荘はよく使うこと!

   
 それが別荘管理のノウハウの第一歩です。

    

     
3.別荘に着いた時の注意事項。

     
 さあ、それでは・・・・・・いよいよ、普段の別荘生活で、私達はどんな事に気を付けて生活したらいいかを考えてみたいと思いますが、ものの順序として、セカンドハウスに着いた時から話を進めて参りたいと思います。

   
●1.先ずは風を通そう・・・・・・!

 皆さんが別荘に着き・・・・・・
 ガチャガチャと玄関の鍵を開け(このガチャガチャいう音は何んて素敵なんでしょう!!)・・・・・・
 室内に入り、灯りをつけた後・・・・・・
 皆さんは、一番先に何をするだろうか?

     この 「セカンドハウスに着いた時、一番先に何をするか?」

 という質問に対する答えは、季節と到着時間、それから着いた時の疲労度などの条件によって、ある程度は異なると思いますが・・・・・・でも、殆どの人が、部屋の中に入った時の、あの何週間・・・・・・何ヶ月間も締め切っていたあとの、ムッとするような空気の澱みを感じた時、殆どの人が、雨戸を開けたり窓を開け放ったりして、新鮮な空気を部屋の中に入れようとするのではないだろうか?

 ・・・・・・そう!!
 筆者が、わがヒュッテに着いた時、一番最初にするのが、セカンドハウスの空気の入れ替えであります。
 でも、チョット待って下さい。
 外気を入れる前に、必ずして置きたいのが・・・・・・注意深く深呼吸をして、カビの匂いを嗅ぎ取る事である。 この黴(かび)嗅ぎは・・・・・・軽井沢の様に、霧が湧きやすく、従って家の中に湿気が閉じ篭り易い場所にある別荘では・・・・・・全部の部屋に就いて、特に励行して置きたいものである。


 そして、新しい外気を入れる為に雨戸やシャッターを開け放つ時、気を付けたいのが虫の死骸である。
 ハエ、蚊、クモ、蛾・・・・・・などなど色々な虫達の死骸に気が付かれると思いますが・・・・・・
 ・・・・・・中でも要注意のワースト・スリーは、キイロスズメバチ・蟻類・ダンゴムシ・・・・・・である。
 まず、キイロスズメバチですが、何年か前、早春から盛夏まで、ヒュッテに行けなかった事がありましたが、この年の夏、キッチンの換気扇の内側にキイロスズメバチの巨大な巣が出来てしまい、業者さんに頼んで取っ払らって貰いましたが、\ 30,000.- 程の出費が掛かってしまいました。
 しかも、それから1ヶ月程して、ヒュッテに行った時、その残党が、まだ 2 〜 3 匹、部屋の中を飛んでいたのには聊かビックリしました。 このキイロスズメバチに刺されると、大変に危険ですから是非とも注意したいものです。
 蟻類の死骸が沢山ある場合は、家の中の板壁の内側や、柱の陰に巣がある事が考えられますし、ダンゴムシなどの湿気嗜好性の虫の死骸が沢山見られる場合には、その部屋の縁の下などに湿気が来ている事が考えられます。




●2.水道の元栓を開く

 部屋の空気を入れ替えたら、次は何んと言っても、水の元栓を開いて水が使えるようにする事が必要。
 ・・・・・・是をしないと、お茶を沸かして飲む事も出来ないからである。

 ところで、寒冷地とか高原に住んでいる人達には、この「水の元栓を開く」という行為が何を意味するかは、よく知られた事ですが、温暖な地域にすんでいる人達には、チョット分り難いかもしれません。

(つづく)