メランコリックな午後

(2000-01-19)  

   
風邪をひいて、けだるい午後。

冬の日だというのに

春の日のように暖い午後。

ぼんやりとティタのギターに耳を傾けていると

時間がユックリと流れて行くのが

肌を通して、心の中まで物憂く沁み込んで来る。

   

   

何をする気も起きない

けだるく眠くなるような午後。

このメランコリックな空気に浸っていると

サガンの「悲しみよ、今日は・・・・」ではないけれど

あの爽やかなディオリッシモの香水の匂いが

退廃的に漂って来るような気さえ起きて来る。

   

   

このゆるゆるとした、けだるさに身を任せていると

何もかもが面倒臭くて物憂く

それでいて、その時間のカーテンの向こうには

乳房のふくよかな魅惑的な女性が

華奢(きゃしゃ)で美しくて、真っすぐな細いパイプで

品の良い煙草をユックリとくゆらせているのが見えて来る様な気がする。

   

   

本当に何んというけだるさ

ベランダに残った雪からは

まぶしい陽の光に照らされて

ゆらゆらとカゲロウが立っているようだし

僕の目に映るもの全てが

晩年のゴッホの絵のように揺れ動いて見えて来る。

   

   

何故、こんなにメランコリックで

けだるい午後なのに

全てが、こんなにも美しく

親しみ易いのだろう。

なぜ、こんなにもふしだらな午後なのに

透き通った悲しみが潜(ひそ)んでいるのだろう?

  

   

ああ、ベランダに飛んで来て、ヒマワリの種をついばむ

シジュウカラやゴジュウカラ達よ

お前達は、どうしてそんなに可愛らしく

・・・・そして元気なのだろう?

あなた達の目は、どうして、そんなに丸くて

・・・・あどけないのだろう?

   

     

   

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