41. 風邪の朝

   ( 2000-01-19 の日記より)

      
   

もう5 日も薬を飲んでいるのに

こじれた風邪は、まだスッカリとは、良くなっていない

静かに雪の降り積もる朝。

朝食を食べていたら、ストーブの灯油が・・・・・

残り少ない事を、フト思い出した。

  
   

風邪の朝は、何をするのもけだるく

部屋の中の空気さえもが、熱っぽく感じられる。

食卓の椅子の背にゆったりと体重をかけ

雪の庭をボンヤリと眺めている僕。

・・・・ティタのギターの音が、室内の静かな時を刻んでいる。

  
   
本当はそんな気もないのに

久方振りにスペイン語の教科書を開いて見ている僕。

Vocablario-expresiones, Preguntas,

Esquema gramatical, Ejersisios...............

・・・・僕はスペイン語の音が大好きである。

   
     
教科書をたどたどしく読んでいくと

・・・・スペイン語のあの美しさに目がくらみ

教科書を食べてしまいたい思いに駆られる。

そんな時、ティタのギターが大好きな ”Lagrima”に変わったせいだろうか

突然、「生きてるっていいな!」と涙が溢れてきた。

  

今迄、何度夢見た事だろう!

スペインの片田舎の石の家に棲み

ロバの通る狭い石畳をユックリと歩き

知りあったばかりの村の人に

”! Buenos Dias ! ”って声を掛けることを!

   

青い空、白い家・・・・・・・

僕の想いは遥かな遠(と)つ国へと飛んでいく。

・・・・でも、我に還ると、庭は静かな一面の雪。

僕は熱っぽい手でスペイン語の教科書を撫でながら、ふと呟いた。

「晴子ちゃまは、今頃、何をしているだろうか?」

  

・・・・彼女は、心優しいスペイン語の先生である・・・・!

   

   

   

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