第 6 集




No. 26  モザイク

 つい昨日のことである。
 MTB (マウンテンバイク) で、日課になっている 15km を走った後、いつものように、行きつけのヴェローチェで、English Zone の CD を聞きながら紅茶を飲んでいたら・・・・・・
 「アラ、八岳さん、今日は・・・・・・」
 と、明るい声がしたので、顔を上げると、akemi と michi の2人がニコヤカにたっていた。
 ・・・・・・2人は、筆者が、このヴぇローチェで、知り合った英語好きの女の子達である。
 「・・・・・・何んだ、2人そろって・・・・・・?」
 と言うと、
 「アラ、お巡りさんみたい! ”何んだ?” ナンテ・・・・・」
 と、2人は屈託なく言ったあと、
 「ここに坐っていい? ・・・・・・いい話があるんだけど・・・・・・」
 と、akemi がニコヤカに言った。
 「・・・・・・駄目だ、駄目だ! 今、忙しいから・・・・・・」
 と僕が、わざと、ブッキラボウに言うと・・・・・・
 「じゃあ、ツマンナイ akemi・・・・・・」
 と akemi は鼻を鳴らした。

 ・・・・・・といったところで、僕の方にも、別段、特別な用事があるわけでもなし、暇つぶしに、少し話でもしようかと思って
 「・・・・・・まあ、イッカ、ソレジャア・・・・・・いいよ、まあ、坐りなさい、そこに・・・・・・」
 と言うと、2人が素直に坐ったので
 「・・・・・・ンで、何んだい、そのいい話ッチューノハ・・・・・・・?」
 と、聞くと、michi が何かを言い掛けたのを、akemi が手で押さえて
 「とってもイイ話なの・・・・・・!」
 といった。
 「・・・・・・そう? イイ話って、どんな話なの・・・・・・?」
 つっこんで聞くと、
 「トーーーーッテモ、イイ話なの・・・・・・ねえ、そのお話、してあげるから、ラテ頼んじゃ駄目・・・・・・?」
 ・・・・・・普段は、とても控えめで、そんなオネダリを言うような子じゃない akemi が珍しくそう言った。
 余程、面白いネタをもっているらしい・・・・・・
 「アハハハハハ・・・・・・話の内容によっては、考えるけど、何んだい・・・・・・その話ってえのは・・・・・・?」
 と、もう一度きくと・・・・・・敵もサルもの、引っ掻くもの・・・・・・
 「先に、私達2人に、ラテご馳走して呉れるって言わないとヤダ・・・・・・! そうよねえ、michi・・・・・・」
 と、いうと michi も相槌を打って
 「絶対、飛び切りの話なの・・・・・・」
 と、すこし恥ずかしそうに言った。
 僕としては、ここで(いいよ!)と言ってもいいのだが、どうせ遊びだと思っているから、わざと意地悪く言った。
 「アハハハハハ・・・・・・あなた達が持っている、イイ話っていうのは、どうせ、何処かで・・・・・・福袋のバーゲンをやっている位の話だろう・・・・・?」
 と、いうと、少しオツムに来たような表情で akemi が言った。
 「・・・・・・じゃあ、ホンの少しだけ教えてあげるワ・・・・・・ これってねえ、モザイクの話なの・・・・・・」
 「何んだい、そのモザイクって、あの風呂場のタイルのモザイクの事かよ・・・・・・?」
 「違う、違う・・・・・・男の子達が好きな、あのビデオのモザイクの話なの・・・・・・」
 「ビデオのモザイクって、あのアダルトのヤツか・・・・・・」
 「アッタリ〜〜〜!」
 2人は、少しはしゃいでそう言った。
 「それで、どうしたんだ・・・・・・そのモザイクが・・・・・・?」
 「ねえ、ねえ、ねえ・・・・・・知ってる、八岳さん? 秋葉原で・・・・・・ビデオの器械に付けると、ビデオ画面のあのモザイクが取れちゃうっていう器械が売られてる・・・・・・っていう話?」
 「ナヌ? ポルノビデオのモザイクを取る器械だと〜〜??」
 僕が、膝を乗り出すと、2人は、可笑しそうに笑って付け加えた。
 「ホーラ、だから言ったでしょ?・・・・・・ラテは? ・・・・・・ラテ、ラテ・・・・・・!!」
 と、2人は、ふざけて高飛車に出て来た。
 そう出られたんじゃ、こちらも、話を合わさないと面白くない・・・・・・そこで、
 「ヨ〜〜シ、いいぞ! ラテだろうと、何んだろうと 10杯でも 20杯でも・・・・・・」
 と、言うと
 「ヤッタ〜〜!! ヤッタネ・・・・・・!!」
 2人は顔を見合わせると、可笑しそうに笑うと、傍を通り掛ったボーイさんに言った。
 「カフェラテ、2ツお願いします・・・・・・ホットで・・・・・」

     
 「・・・・・・んで、そのモザイクが取れちゃうっていう機械の話・・・・・・ホントなのかよ?」
 ボーイさんが、我々の傍から離れると同時に、僕は聞いた
 「ねえ、ホントよねえ? だって、私、きのうテレビで見たんだもの・・・・・・ michi も、テレビで見たんですって・・・・・・そうよねえ、michi ?」
 「うん、ホント、ホント・・・・・・その器械の話、テレビでやってiわ・・・・・・・」
 と、2人は声を揃えてそういった。

   
 さて、このテレビの話であるが・・・・・・2人に色々と聞いてみると・・・・・・・どうも、こういう話らしい・・・・・
 一昨日、どのチャンネルかは分からないけど・・・・・・そのテレビ局のカメラ取材班が秋葉原に赴き(おもむき)、ビデオの器械に付けると、ビデオ画像のあのモザイク模様が消えてしまう・・・・・・という器械を売っているお店に、テレビ取材を申し込んだ・・・・・・という番組が放映された、というのである。
 「それで、うまく取材は出来たのかな・・・・・・・?」
 と聞くと、2人は運ばれて来た、カフェラテを美味しそうに飲みながら
 「ウウウン・・・・・・違うの・・・・・・そのお店屋さんは・・・・・・お金を払って器械を買わないと、取材には応じられない・・・・・・って言ったの・・・・・・」
 「・・・・・・へえ、そしたら?」 
 「そしたらこちらは、テレビ局だけど、それでも駄目ですか?・・・・・って聞いたの・・・・・・・」
 「うん、うん」
 「・・・・・・そしたら、お店屋さんは、矢張り・・・・・・・どうしても買わないと駄目だ!・・・・・・って、突っぱねたの・・・・・・」
 「へええ、ソーオ?」
 「うん、そうなの・・・・・・そしたらねえ、そのカメラマンが・・・・・・・”ホントは、その器械じゃ、モザイク取れないんじゃないの?” って、言ったの・・・・・・」
 「うん、成る程・・・・・・」
 「そしたら、お店屋さんがカメラマンに向って・・・・・・”チャント、こうして売ってるんだから、取れねえ訳けネーダロー!!”って、スッゴイ怒って言ったの・・・・・・」
 そこで・・・・・・僕が
 「ヘええええ・・・・・・!! でもさあ、その器械って、幾らぐらいする器械なの・・・・・・?」
 と、聞くと、michi が珍しく、口をはさんで・・・・・・
 「エ〜トネエ・・・・・・安いのと、高いのがあってさあ・・・・・・安いのが1万5000円で、高いのが3万円だったかナ・・・・・・」
 「ヘ〜エ、結構、高い器械なんだあ・・・・・・!!」
 ・・・・・・って受けた僕の言葉を、akemi が引き継いで・・・・・・
 「うん、そうそう・・・・・・それで、仕方なく、とうとうカメラマン達は自分達でお金を出して、その器械を買って、自分たちで試してみたんです・・・・・って・・・・・・!!」
 「・・・・・・そしたら・・・・・・??」
 「いくらやっても、モザイクは取れなかったんですって・・・・・・・」
 「えええええええッ・・・・・・?? 何んだよ、ソレ? それじゃ〜、マルッキリ詐欺(さぎ)じゃん・・・・・・??」
 「うん、ソーダヨーねええええ・・・・・・・私達もそう思うわ・・・・・・」
 「それで・・・・・・この話はオシマイなの・・・・・・?」
 「そう、これでオシマイなの・・・・・・・アハハハハハ!!」
 2人は、声を揃えて屈託なく笑った・・・・・・!!
 「何んだよ?・・・・・・モザイクが取れる機械をアキバで売ってるっていう話だ・・・・・・って言うからさ・・・・・・」
 「・・・・・・でも、嘘じゃないわよ・・・・・・だって、テレビでホントにヤッテタンダモノ〜! その器械の取材を〜〜オ!」
 2人は、可愛らしく鼻を鳴らした・・・・・・
 「そっかあ〜〜? アハハハハハハ・・・・・・」
 ・・・・・・と、ひと呼吸置いたあと、僕は付け加えた。
 「要するに、akemi と michi は、こう言いたいんだろ?」
 「・・・・・・・・」
 「まず、一番最初に・・・・・・ ”モザイクが取れる機械の話を聞かせる”・・・・・・っていう話が命題で、”その器械が正常に作動しなかった”・・・・・・っていう話は、”器械の話を聞かせる” という命題の信憑性(しんぴょうせい)には、直接には関与はしない。 ・・・・・・従って、akemi と michi は、たとえ、当該器が正常に動作しなくても、嘘をついたという事には当らない・・・・・・!! ・・・・・っていう事になるのかナ?」
 ・・・・・・・というと、2人は
 「・・・・・・うわあ、アッタマイイ〜〜〜!!」
 「ホント!!・・・・・・八岳さん、大好キ〜〜〜!!」

 ・・・・・・って、はしゃいでいたと思ったら、akemi は、急に小さく声を落とすと、僕の目を覗き込みながら、少し心配そうな声で、こに言って、。
 「・・・・・・私達、イケナイ子かなア・・・・・・?」
 「え? うん・・・・・・ヤラレタってえ感じだけど、一体、どっちが、考え出したんだ・・・・・・ラテの話は?」
 と言うと、akemi が言った。
 「ここに入って来る前、2人で、きのうの器械のテレビ取材の話をしてたの・・・・・・でも、中に入ってきたら、八岳さんがいるじゃない! そこで、私が、この話、八岳さんにしたら、キット、喜ぶわよ・・・・・・って言ったら、michi が ”ねえ、ねえ、この話をして・・・・・・八岳さんから、ラテ貰っちゃおうか?” って言ったの・・・・・・」
 「なるほど・・・・・・それで?」 
 「私が ”うまく行くかなあ?” って言ったら、michi が ”絶対うまく行くわよ” っていうの・・・・・・・」
 「へえ、どしてだろ・・・・・・?」
 ・・・・・・って、僕。
 「ね、そうでしょ? だから、私も聞いたの ”どうして、絶対うまく行くの?” って・・・・・・」
 「うん、うん・・・・・・」
 「そしたら、michi が何んて言ったと思う・・・・・・?」
 「分からないネ!・・・・・・・・」
 「michi ったら、 ”・・・・・・だって、八岳さんて、とっても 「エッチっぽいものオ〜〜!!」・・・・・・” ですって・・・・・!!」

 その言葉を聞いたトタンに、僕は言った・・・・・・
 「ナールホドねえ・・・・・・! そりゃア、当らずと言えども、遠からずだ・・・・・・」
 と言うと、akemi は、屈託なく
 「ね、ご自分でも、そう思うでしょ・・・・・・アハハハハハハ・・・・・・・」
 と、明るく、笑いながら、言った。

 ・・・・・・すると、michi が突然
 「ごめんなさ〜〜〜い!!」
 と、蚊が鳴くような声で言いながら、体を小さくすぼめたが、
 ・・・・・・その仕草が、とても可笑しかったので
 akemi と僕が、大きな声で笑い出し・・・・・・それに釣られて michi も笑い出し、
 とうとう、3人共、爆笑の渦に巻き込まれてしまいました。

 チョン・・・・・・!!

     

    

No. 30 物凄い会話

 筆者は喫茶店が好きである。
 フラリと新宿に出掛けた折り、MTB(マウンテンバイク)で、

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(2005-01-12 記)