池端 寛さん:


 

(黒沢ギャラリーの個展にて・・1998-08-16)

池端さんについて語る時、何が面白いかと言うと、何んと言っても学生時代の専攻が「理論物理」だと言うことであろう。筆者も何人かの陶芸に興味を持っている人を知ってはいるが、「理論物理」を専攻した陶芸家は、この人以外には例を知らない。

或る日の午後、お茶を飲みながら彼と話しをしているとき、たまたま話題が数学の話しになったことがある。その時、一般五次方程式を代数的に(係数の加減乗除と累乗根で)解くことは不可能である・・・・・と言うことに触れて、「体(たい)を理解するのはなかなかムズカシイ」と、「体」の事を説明し始めると、突然、池端さんが筆者を遮って
「それって、群論のことじゃない??」と、先回りして逆に質問された時は、
「流石ア・・・・矢張り理科系!!」
とオドロイタ次第である。

と言うのは、この様に「それって群論じゃない?」と先回りをして言われたのは、この時が初めてだったからである。


     
美しい池端さんの作品!!

話しは代わるが、池端さんはかなりの読書家でもある。
400 ページ程の翻訳ものの社会評論なども、なんの抵抗もなく読んでしまう・・・・というバイタリティーの持ち主である。
筆者も本を読むのは決して嫌いではないが、池端さんのリーディング・エネルギーには全く「脱帽!」の思いである。
・・・・そして、この人の素晴らしいところは、本から読み取ったものの多くが、この人の中で生きている・・・・と、言うことである。
それは、どういう事かと言うと、(これは、直接当人に聞いた訳ではないので、筆者個人の勘でしかないのであるが・・・・)この人の心の中には、「人を生かす知恵の袋」と「人を傷つける言葉の袋」と「どうでもいい物をつめるズタ袋」という三つの袋があり、この人が本で読んだ知識の主な部分は、この何れかの袋に選り分けられ、人と話す時は、「人を生かす知恵の袋」の中身を不知不識(しらずしらず)のうちに使っているのではないかと思うことがよくあからである。


    
7種類のヤスリを使い、まる一日掛けて磨く優美な作品  

・・・・だから、池端さんは根本的にとても優しい人である。
池端さんの腕を見ると、手首なんかは筆者の手首の倍ほどの太さはあるし、指にしても、「手のひら」にしても、物凄くガッシリとしている。あの手でゲンゴツを作り殴られたら、筆者の首なんぞは叩き折られてしまいそうな感じがする。
・・・・それなのに、彼のそばにいても、そのような危険を感じることは微塵もなく、また彼の作品がとても美しいのを見ても、彼が優しい性格の持ち主であり、センスの細やかな人であることが分ろうと言うものである。    

とにかく、いつまでも友達でいたい人(彼には迷惑かも知れないが・・・・)である!!

・・・・最後に・・・・もしチャンスがあったら、ぜひ彼の作品の展示会を見に行って下さい! とても、素敵ですから!!






フロント・ページに戻る!